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新法令・通達の解説
- 就労支援を強化する障害者総合支援法等の改正
- 令和4.12.16 法律第104号=障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律
障害者等の地域生活や就労の支援の強化等により、障害者等の希望する生活を実現するため、障害者総合支援法、障害者雇用促進法、児童福祉法等が改正されました。
具体的には次のような措置が講じられます。
・障害者等の地域生活の支援体制の充実(1人暮らしを希望する人の移行支援を、グループホームの支援内容として明確化など)
・障害者の多様な就労ニーズに対する支援および障害者雇用の質の向上の推進(「就労選択支援」の創設など)
・精神障害者の希望やニーズに応じた支援体制の整備(医療保護入院について市町村長同意の範囲拡大など)
・難病患者および小児慢性特定疾病児童等に対する適切な医療の充実および療養生活支援の強化(医療費助成の開始時期の前倒しなど)
・障害福祉サービス等、指定難病および小児慢性特定疾病についてのデータベースに関する規定の整備等(第三者提供のしくみ等の規定整備)
このなかで、企業経営とかかわりのある「障害者の多様な就労ニーズに対する支援および障害者雇用の質の向上の推進」については、次のような措置がとられます。
(1)「就労選択支援」の創設
就労アセスメント(支援施設の職員等が就労意欲のある障害者と面談し、強みや希望を聞き取り、福祉担当者等が、障害者本人も交えてどのような支援や配慮が必要か協議し情報を共有する)を活用した「就労選択支援」を創設します。
また、ハローワークはこの支援を受けた者に対して、その結果を参考に職業指導等を実施します。
(2)雇用率算定の対象拡大
これまで雇用義務の対象外だった週所定労働時間10時間以上20時間未満の重度身体障害者、重度知的障害者および精神障害者に対し、就労機会の拡大のため、実雇用率において算定できるようにします。
(3)助成措置の見直し
障害者の雇用者数で評価する障害者雇用調整金等における支給方法を見直し、企業が実施する職場定着等の取組みに対する助成措置を強化します。
改正法の施行日は、一部を除いて令和6年4月1日です。なお、就労選択支援の創設に関する規定は、公布後3年以内の政令で定める日とされています。
出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック