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新法令・通達の解説
(令和3年9月30日までの発表・公布・施行分)
- 脳・心臓疾患に関する労災認定基準が20年ぶりに改正される
- 令和3.9.14 基発0914第1号=血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について ほか
前回の改正から約20年が経過し、働き方の多様化や職場環境の変化が生じていること、最新の医学的知見を踏まえるという観点から、仕事が原因で脳出血や心筋梗塞などの脳・心臓疾患に罹患した場合の労災認定基準についての改正が行なわれました。今回の改正のポイントは、次のとおりです。
労働時間の基準については改正前の基準を維持
これまで1か月100時間以上の残業、といった労働時間の基準が、いわゆる「過労死ライン」といわれてきました。この「発症前1か月間に100時間または2~6か月平均で月80時間」を超える時間外労働は発症との関連性は強い、という従来の労働時間基準は維持されます。
長期間の過重業務の評価に当たり、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化
従来の基準には至らないがこれに近い時間外労働に、一定の労働時間以外の負荷が加わった場合には、業務と発症との関連が強いと評価することが明確化されました。
長期間の過重業務、短期間の過重業務の労働時間以外の負荷要因を見直し
労働時間とあわせて総合的に評価するための労働時間以外の負荷要因として、「勤務間インターバルが短い勤務」「身体的負荷を伴う業務」などが負荷要因としての評価対象に追加されました。
短期間の過重業務、異常な出来事の業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化
「発症前おおむね1週間継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度の長時間労働が認められる場合」等が例示されました。
対象疾病に「重篤な心不全」を追加
認定基準の対象疾病となる虚血性心疾患等に「重篤な心不全」が追加されました。
新たな認定基準は、ことし9月15日から施行されています。
その他の新法令・通達
- 出生時育休は来年10月1日施行
- 男性が子どもの出生直後に4週間までの休業取得を可能とする出生時育児休業に関する規定の施行期日が令和4年10月1日となりました。≫ 詳しい情報はこちら[PDF](厚生労働省)
- (令和3.9.27 政令第267号=育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令)
出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック