お役立ち情報
新法令・通達の解説
- 国民健康保険料の上限額を引上げ
- 平成31.1.25 政令第15号=国民健康保険法施行令の一部を改正する政令
社会保険方式を採用する医療保険制度では、保険料負担は、負担能力に応じた公平なものであることが求められます。しかし、被保険者の納付意欲に与える影響や、制度および事業の円滑な運営を確保する観点から、被保険者の保険料負担には、一定の限度が設けられています。
ところが、昨今では、少子高齢化の進展等により医療給付費等が増加する一方で、被保険者の所得が伸びない状況にあり、保険料収入が不足する事態に陥っています。
そうした背景をもとに、今般、国民健康保険の保険料の賦課額に関する基準等について、賦課限度額を見直すとともに、経済動向等を踏まえ、保険料軽減の対象世帯に係る所得判定基準を見直すなど、所要の規定の整備を行なうため、国民健康保険法施行令の一部が改正されました。
その主な内容は、次のとおりです。
(1)保険料の賦課限度額の見直し
国民健康保険の保険料の基礎賦課額に係る賦課限度額は、現在58万円とされています。
それが2019年度より、61万円に引き上げられることとなりました。
(2)軽減判定所得の見直し
前年の所得が一定基準以下の世帯に対しては、保険料の均等割額を7割・5割・2割軽減する制度があります。そのうち次の対象世帯について、所得判定基準が見直されました。
・5割軽減の対象世帯に係る所得判定基準
5割軽減の対象世帯に係る所得判定基準の算定において、被保険者数に乗ずべき金額は現在27万5,000円です。
それが2019年度より、28万円に引き上げられることとなりました。
・2割軽減の対象世帯に係る所得判定基準
2割軽減の対象世帯に係る所得判定基準の算定において、被保険者数に乗ずべき金額は現在50万円です。
それが2019年度より、51万円に引き上げられることとなりました。
高額療養費制度および高額介護合算療養費制度において、自己負担限度額が低く設定される低所得世帯の判定基準のうち、特例対象被保険者等の属する世帯を対象として設けられている判定基準の特例について、先の(2)の改正に準ずる所要の改正が行なわれることとなりました。
この法律の施行日は、2019年4月1日です。
出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック