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新法令・通達の解説
- 租税回避行為に対する防止措置実施についての条約が発効
- 平成30.9.28 条約第8号=税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約)
経済のグローバル化に伴い、国境を越える取引が恒常的に行なわれ、企業や個人の海外取引や海外資産の運用形態等が多様化しています。
そんななか問題になっているのが、多国籍企業の活動実態と各国の税制や国際課税ルールとの間のずれを利用することで、多国籍企業がその課税所得を人為的に操作し、課税逃れを行なっていること(BEPS :Base Erosion and Profit Shifting=税源浸食及び利益移転)です。
それを受けて、近年、OECDおよびG20において、これらの課税逃れに対処するための国際協力の機運が一層高まってきています。
わが国でも、これまでOECDおよびG20が推進してきたBEPSプロジェクト等、この問題への対応に各国と連携しながら取り組んできていました。そのBEPSプロジェクトをさらに推進すべく現在82か国・地域が署名する「税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約」(BEPS防止措置実施条約)が発効されることとなりました。
BEPSプロジェクトにおいて策定されたBEPS防止措置のうち租税条約に関連する措置を、本条約の締約国間の既存の租税条約に導入することを目的としています。
この条約により、租税条約に関するBEPS防止措置を、多数の既存の租税条約について同時かつ効率的に実施することができます(図)。
●BEPS防止措置実施条約のイメージ
この条約で導入が可能になるBEPS防止措置は次のものです。
1.租税条約の特典(投資所得に対する源泉地国における課税の減免規定等)の濫用の防止規定を設けること
2.進出先国における事業拠点が恒久的施設と認定されることを人為的に回避するという租税回避行為に有効に対処するための規定を設けること
租税条約に関連する紛争を解決するための相互協議手続をより実効的なものとすること
この条約の発効日は、2019年1月1日です。
その他の新法令・通達
- 働き方改革関連法による労働基準法等の改正に伴う規定の整備
- 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令、行政手続法施行令等について、働き方改革関連法の整備に関する労働基準法等の改正に伴い、所要の規定の整備が行なわれます。≫ 詳しい情報はこちら[PDF](厚生労働省)
- (平成30.9.7 政令第253号=働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令)
出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック