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新法令・通達の解説
- 外国子会社合算税制の改正に伴う合算対象範囲等の取扱いが明らかに
- 平成29.12.21 付課法2-222ほか2課共同=租税特別措置法関係通達(法人税編)等の一部改正について(法令解 釈通達)
いわゆる「タックスヘイブン」(法人税や源泉課税等が低税率の国や地域)に設置した海外子会社を通じた国際的な租税回避や脱税が、企業の公平な競争条件を損なうものとして、大きな問題となっています。
政府は、日本企業の海外展開を阻害することなく、より効果的に国際的な租税回避を阻止するため、平成29年度税制改正において、外国子会社合算税制の改正を行ないました。
それを受けて国税庁は、法令解釈通達「租税特別措置法関係通達(法人税編)等の一部改正について」を出し、外国子会社合算税制の改正に関する事項について取扱いを定めました。
その主な内容は、次のとおりです。
外国関係会社であるか否かを判定する際に求められる間接保有割合について、保有株式50%超の連鎖方式(改正前は掛け算方式)に基づき算定されることとなりました。
また、外国法人の残余財産の概ね全部について分配を請求する権利を有している等の関係がある場合(実質支配基準)におけるその外国法人が外国関係会社の範囲に追加されました。
次の外国関係会社について、会社単位の合算課税の対象とされました(租税負担割合が30%以上である場合には適用免除)。
(1)次のいずれにも該当しない外国関係会社(ペーパーカンパニー)
・主たる事業を行なうに必要と認められる事務所等の固定施設を有している外国関係会社
・本店所在地国においてその事業の管理、支配、運営を自ら行なっている外国関係会社
(2)総資産に比して受動的所得の占める割合が高く、事実上のキャッシュボックスとなっている外国関係会社
(3)情報交換に関する国際的な取組みへの協力が著しく不十分な国等(ブラックリスト国)に所在する外国関係会社
一定の条件で所得が会社単位で合算される課税制度について、次のように見直されます。
・「トリガー税率」の廃止
・改正前の適用除外基準から「実体ある活動を営む航空機リース業」を除く
・会社単位の合算課税制度の発動基準(経済活動基準)に改組
・租税負担割合が20%以上である場合には適用免除
出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック